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TOYOTA PONAM-28GII 試乗レポート 2007/05/01
世界のトップカーメーカーがプレジャーボートを作ると・・・。
不意の操船


コクピット

操船と言っても舵を切るだけ。それでも操船経験のない人間にとっては大変なこと。スロットルの調整は本来の操船手にやってもらえました。「海ほたる」を向こうに舵を切ります。風、波の影響で海ほたるへの照準が合っては外れ、外れては合い、なかなかのチャレンジです。方向を合わせ、ヨーの出方、止め加減にも気を払いつつ進みます。

やがて前方から船が。右にすれ違うよう促されます。そして航跡に乗るあたりで船は徐行状態にされ、横から手が伸びてきて舵を大きく左に切られました。航跡と並行に走るのは危ないそうです。ちょっとだけオートフラップの効果を知りたかったりしたわけですが、基礎を教えてもらえたんだろうと納得。しかし厳密に真っ直ぐ走らせるのは難しいというか、手ごたえのある行為ですね。雪道でのドライビングの楽しさと通じるものがあります。そういえば雪道を走るときには進行方向さえイメージどおりなら、とりあえずクルマがどっちを向こうが気にしないで走っているので、もう少しアバウトな操船でもよかったかもしれません。
それにしても高い位置から波を見渡せるコクピットはいいですね。波の山谷の高さ深さがよくわかります。その波を見ながら、スロットルの調整は何を基準にしているか尋ねてみました。「危ないと思ったら止める」そうです。まあ経験を積む必要がありそうですね。

キャビンで


キャビン側コクピット

キャビンではDENSOのエアコンが効いていて、パイオニアのオーディオも稼働中。電気系統の電圧は12Vで、一般的な乗用車と同じです。快適な環境ですが、たまに「ドーン、ドーン」。それでも波面を滑走するスタイルのボートなので、ずいぶんと乗り心地はいいそうです。このボート、2,600万円くらいするわけですが、こんなボートを今後の基準にしちゃうと、他のボートは乗り心地が悪くてつらいなんてことにはならないでしょうか?(笑)
実は家族で押しかけたのですが、妻から、特に子供のためにシートベルトが欲しかったという素朴な意見がありました。ボートの揺れで落ちる人もいるようですので、あってもいい気がします。

キャビンで聞いた話。このボートのボディはニュージーランドで製造されているそうです。ニュージーランドは世界的に見れば人件費の問題もシビアでないため、ボート製造が盛んな国だそうです。ただし、日本の審美眼を満たせないボディ側面の波打ち加減を強制すべく、日本人エンジニアが出張して製造工程を最適化したそうです。アルミだとグラスファイバーと違って万が一の船体破損でもリスクを最小限に抑えるという話も伺いました。ファイバーは繊維なので傷が裂け拡がっていくのに対し、アルミはその形状のまま持ちこたえ、修復範囲も傷周辺のみということで、手を入れる範囲が最小限で済むということでした。いいですねー。2,600万円ですけど(笑)。

ただいまー。

入港っていい感じですね。本当に陸に戻ってきた実感があります。ここでもまた安定した滑走で、安心感があります。どのくらい揺れないかと言うと、ディズニーシーの「トランジットスチーマーライン」くらい。いや、あれよりも真っ直ぐ進みます。巌がごとく。楽しくも興味深い体験をさせてもらいました。


入港

まとめ

このくらいの価格帯になると、大半は企業オーナーのリース購入だそうで、リースにすると名目をあやふやに出来るメリットもあるとか(笑)。トヨタの営業氏の持つリース表をチラッと見た限りでは、残価設定があって、さらに50万円だか60万円だかを60回払うようなプランでした。リースにはマリーナの費用も含んでいるのかもしれません。人が成長する上でここを通過していくことも重要ではないだろうかと、かなり漠然とながら思った次第です。

くわしくは担当:冠まで(笑)。

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